正論大賞 受賞者の告知

 自由と民主主義のために闘う「正論路線」を発展させた言論活動に対して贈られる正論大賞に、北海道大学名誉教授の木村汎氏(80)が決まった。また新進気鋭の言論人に贈られる正論新風賞にはジャーナリストの井上和彦氏(53)が選ばれた。

 正論大賞は今回が32回目となる。木村氏は旧ソ連時代の昭和52年から本紙「正論」欄の執筆メンバーとして、ロシアに関する重厚な論文を輩出し続けている。クレムリンの内情と歴史の徹底した研究から、プーチン大統領を含めた指導者像を精緻に描くことで巨大国家の実像を浮かび上がらせている。ロシアに対する一貫したぶれのない姿勢も評価の対象となった。

 新風賞は17回目。井上氏は徹底した現地取材で安全保障・軍事・外交の諸問題を分析。講演会やテレビ番組では重い主題を軽妙な語り口でわかりやすく伝え、保守論壇に新しい風を巻き起こした。

 2氏ともに産経新聞「正論」欄の執筆メンバー。正論大賞の正賞はブロンズ彫刻「飛翔」(御正進氏制作)で副賞は賞金100万円、新風賞の正賞は同「ソナチネ」(小堤良一氏制作)で副賞は賞金50万円。贈呈式は来年2月20日、都内で行われる。

第32回正論大賞

正論大賞・木村汎

木村汎(きむら・ひろし)氏

昭和11年、京城(現ソウル)市生まれ、京都大学法学部卒、同大大学院修士課程修了。指導教員は猪木正道氏。米コロンビア大学Ph・D。45年から北海道大学法学部助教授、52年に同大学スラブ研究センター教授、平成3年に同大名誉教授、国際日本文化研究センター教授に。著作に「ソ連とロシア人」「ソ連式交渉術」「総決算 ゴルバチョフの外交」「ボリス・エリツィン」「遠い隣国 ロシアと日本」「日露国境交渉史」「プーチンのエネルギー戦略」「現代ロシア国家論」「メドベージェフvsプーチン」「プーチン 人間的考察」「プーチン 内政的考察」など。実父は民法学者の木村常信京大名誉教授、実姉は推理小説作家の山村美紗氏で、女優の山村紅葉さんは姪にあたる。昭和52年10月から産経新聞「正論」欄執筆メンバー。平成14年に第14回アジア・太平洋賞大賞受賞、28年春に瑞宝中綬章受勲。

第17回正論新風賞

第17回正論新風賞・井上和彦

井上和彦氏

昭和38年、滋賀県生まれ。62年に法政大学社会学部卒後、商社に入社。その後、執筆活動やテレビ番組のコメンテーターとして活躍。「そこまで言って委員会NP」をはじめ、「ニュース女子」「真相深入り!虎ノ門ニュース」「モーニングCROSS」などニュース・バラエティー番組に多数出演、〝軍事漫談家〟の異名を持つ。サンミュージックプロダクション所属。著書に「日本が戦ってくれて感謝しています」「大東亜戦争秘録 日本軍はこんなに強かった!」「東日本大震災 自衛隊かく闘えり」「パラオはなぜ『世界一の親日国』なのか」など。平成25年から「国民の自衛官」選考委員、27年10月から産経新聞「正論」欄執筆メンバー。国家基本問題研究所企画委員、防衛省講師、航空自衛隊幹部学校講師、商社シンクタンク部門主席アナリスト、東北大学非常勤講師なども務める。