正論大賞 受賞者の告知

 自由と民主主義のために闘う「正論路線」を発展させた言論活動に贈られる正論大賞に、駒澤大学名誉教授の西修氏(78)と国士舘大学特任教授の百地章氏(72)が決まった。新進気鋭の言論人に贈られる正論新風賞には静岡大学教授、楊海英氏(54)が選ばれた。3氏はともに産経新聞「正論」執筆メンバー。

 正論大賞は今回が34回目。西氏と百地氏は「正論」欄などで積極的に提言し、憲法改正実現に向け議論を牽引してきたことが高く評価された。両氏は産経新聞創刊80周年と「正論」40周年の記念事業として、憲法改正を世論に喚起するために設置された「国民の憲法」起草委員会の委員を務め、平成25年4月に発表した「国民の憲法」要綱の取りまとめにも大きな役割を果たした。

 西氏は、憲法学と比較憲法学の研究を通じて「平和と国防はセット」であることを明らかにし、自衛隊を違憲視する憲法学界の議論に一石を投じた。

 百地氏は「国家論なき戦後憲法学」の問題点を厳しく批判し、緊急事態条項を憲法に盛り込む必要性をいち早く訴えた。

 楊氏は内モンゴル出身の文化人類学者で、日本名は大野旭。日中両国で学んで培われた深い知識と見識に裏付けられた日中関係論に加え、中国当局がタブー視する文化大革命やウイグル問題などに果敢に切り込む姿勢が評価の対象となった。

 正論大賞の正賞はブロンズ彫刻「飛翔」(御正進氏制作)で副賞は賞金100万円、新風賞の正賞は同「ソナチネ」(小堤良一氏制作)で副賞は賞金50万円。贈呈式は来年2月5日、東京都内で行われる。

第34回正論大賞

正論大賞・西修

西修氏

 昭和15(1940)年、富山県生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同大学院政治学研究科修士課程、同博士課程修了。政治学博士、法学博士。専門は憲法学、比較憲法学。米プリンストン大学、メリーランド大学などで研究。駒澤大学法学部教授を経て、現在は駒澤大学名誉教授。防衛法学会名誉理事長(前理事長)、比較憲法学会名誉理事(元理事長)。内閣府「情報保全の在り方に関する有識者会議」座長、第一次・第二次安倍内閣「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」委員などを務めた。『憲法体系の類型的研究』『日本国憲法成立過程の研究』『図説 日本国憲法の誕生』『憲法改正の論点』『世界の憲法を知ろう』『証言でつづる日本国憲法の成立経緯』(近刊)など著書多数。産経新聞「国民の憲法」起草委員会のメンバーとして、平成25年に正論大賞特別賞を受賞。趣味は落語で、芸名は「またも家楽大」。

正論大賞・百地章

百地章氏

 昭和21(1946)年、静岡県生まれ。京都大学大学院法学研究科修士課程修了。独フライブルク大学留学。法学博士。専門は憲法学。主な研究テーマは国家と宗教の関係、天皇、防衛、国家緊急権等。愛媛大学法文学部教授、日本大学法学部教授などを歴任し、現在は国士舘大学特任教授、日本大学名誉教授。比較憲法学会名誉理事(元理事長)、憲法学会理事。即位の礼・大嘗祭、女性宮家、天皇陛下の譲位について政府のヒアリングに出席。日本会議常任理事・政策委員、神道政治連盟政策委員、「民間憲法臨調」事務局長、「美しい日本の憲法をつくる国民の会」幹事長。著書に『憲法と政教分離』『憲法と日本の再生』『憲法の常識 常識の憲法』『憲法9条と自衛隊明記Q&A』など多数。産経新聞「国民の憲法」起草委員会のメンバーとして、平成25年に正論大賞特別賞を受賞。趣味はジョーク、釣り、園芸。

第19回正論新風賞

第19回正論新風賞・楊海英

楊海英氏

 1964年、南モンゴル(中国・内モンゴル自治区)オルドス高原生まれ。日本名・大野旭。静岡大学人文社会科学部教授。専門は文化人類学。北京第二外国語学院大学日本語学科卒業。89年に来日し、国立民族学博物館、総合研究大学院大学で文学博士。2000年に日本に帰化し、06年から現職。中国の文化大革命や民族問題を研究テーマにしている。10年に司馬遼太郎賞、16年に国家基本問題研究所「日本研究賞」を受賞。産経新聞「正論」執筆メンバー。主な著作に『墓標なき草原―内モンゴルにおける文化大革命・虐殺の記録』『逆転の大中国史 ユーラシアの視点から』など。