正論大賞 受賞者の告知
正論大賞に織田邦男氏 新風賞は松原実穂子氏、特別賞に安倍晋三氏
自由と民主主義のために闘う「正論路線」を発展させた学者、文化人らに贈られるフジサンケイグループの第38回「正論大賞」に、麗澤大学特別教授で元空将の織田邦男(おりた・くにお)氏(70)が決まった。新進気鋭の言論人に贈られる第23回正論新風賞には、NTTチーフ・サイバーセキュリティ・ストラテジストの松原実穂子(まつばら・みほこ)氏(46)が選ばれた。正論大賞特別賞は、元首相の安倍晋三氏に贈られることも決まった。
織田氏は元自衛官の専門的立場から、産経新聞「正論」欄と月刊「正論」で戦争を未然に防止するための防衛力の構築や、日本有事にも直結する台湾有事などについて、積極的に問題提起する活動が高く評価された。
松原氏はサイバーセキュリティ問題に精通しており、ウクライナ情勢とサーバー防御に関する論考や、北朝鮮やロシアのサイバー攻撃に関する考察などが優れており、新風賞にふさわしいと評価された。織田氏と松原氏は令和3年から正論執筆メンバーを務めている。
安倍氏は、産経新聞の正論路線に共鳴、賛同する方の任意団体、正論「懇話会」などで講師を務めたほか、憲政史上最長の期間、首相を務め、限定的ながらも集団的自衛権の行使を可能とする安全保障関連法制を成立させるなどの実績が評価された。産経新聞「正論」の執筆メンバーになることが内定しており、憲法改正に向けた論陣を張る予定だった。
正論大賞の正賞はブロンズ彫刻「飛翔(ひしょう)」(御正(みしょう)進(すすむ)氏制作)で副賞は賞金100万円、新風賞の正賞は同「ソナチネ」(小堤(おづつみ)良一(りょういち)氏制作)で副賞は賞金50万円。 特別賞の正賞は、小堤氏制作のブロンズ彫刻「あゆみ」。
第38回正論大賞

織田邦男氏
昭和27年、愛媛県生まれ。防衛大学校卒業後、航空自衛隊に入隊。F4戦闘機パイロットを経て、米スタンフォード大学客員研究員、航空幕僚監部防衛部長、航空支援集団司令官などを歴任。平成21年に退官後、東洋学園大学客員教授などを経て、今春から現職。今春の叙勲で、瑞宝中綬章を受章した。令和3年から産経新聞「正論」執筆メンバー。
第23回正論新風賞

松原実穂子氏
昭和51年、東京都生まれ。早稲田大学卒業後、防衛省勤務。米ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院で修士号取得。NTTでサイバーセキュリティに関する対外発信を担当。著書の『サイバーセキュリティ 組織を脅威から守る戦略・人材・インテリジェンス』(新潮社)で大川出版賞を受賞した。サイバー分野で注目を集めている論客。サイバーセキュリティに関する国際会議にも識者として出席。日本の立場を世界に発信し、国際間の協力強化に向け尽力している。令和3年から産経新聞「正論」執筆メンバー。
正論大賞特別賞

安倍晋三氏
昭和29年、東京都生まれ。祖父は岸信介元首相、父が安倍晋太郎元外相という「政界のプリンス」。平成5年、衆議院議員初当選。自民党幹事長、内閣官房長官などを経て、平成18年に首相に就任した。首相在職日数は第1次政権から通算で3188日に上り、憲政史上最長となった。令和4年7月8日、奈良市内で演説中に銃で撃たれて死亡した。67歳だった。