臨時・別冊正論・正論SP

別冊正論13号9月8日発売  価格1047円(税込)

INTRODUCTION

克服されない根本課題として

本誌編集長 上島嘉郎


日本という運命共同体を自ら解体する愚

二十数年前に江藤淳が抱いた懸念は、その後の日本の意思決定に反映されることはなかった。 我が国の国策を左右する構造は「閉鎖的言語空間」の見えない障壁に阻まれて今も見えない

ノンフィクション作家 関岡英之

日本よ、国家たれ

戦後の長き「平和の毒」は日本人をいかに変質させてしまったか。アメリカの“囲い者”として自国の運命を自ら決することを放棄したままでいいのか

作家・東京都知事 石原慎太郎  評論家・日本財団特別顧問 日下公人

戦後日本の無念―祖国がアメリカの属州となる長き体験

評論家・秀明大学学頭 西部邁

日本に祈る

“あの日”、日本人は米国に「徹底的に屈伏した」のではない。別のことを体験したのだ

文芸評論家 桶谷秀昭


THE SEIRON ARCHIVES

「神やぶれたまはず」―折口信夫をこえて

われわれはどこに神学の出発点を擱いたらよいのか? われわれは、信うすくして奇蹟を呼びえなかつたのでもなければ、敗戦によつて神を失つたのでもない

埼玉大学教授 長谷川三千子


戦後日本には「疾病利得」しかないか―内田樹という病理

ジャーナリスト 東谷暁

日米関係の原点とは何か

〈再検証〉ヘレン・ミアーズ『アメリカの鏡・日本』

東京大学名誉教授 小堀桂一郎


THE SEIRON ARCHIVES

日米安保半世紀の走馬燈をどう読むか

例のない「異なる義務」で繋がれた条約構造を今一度思い起こせ

防衛大学校名誉教授 佐瀬昌盛


自衛隊は誰のためのものか―わが体験的「日米安保」論

帝京大学教授・元陸上自衛隊北部方面総監 志方俊之


THE SEIRON ARCHIVES

白熱対談日米、戦後の五十年

「米国が独占的に作り上げたルールに、今こそ反旗を翻す時ではないのか」

埼玉大学教授 長谷川三千子

「憲法はあの当時、米国の立場からすれば妥当だった」

京都大学教授 高坂正堯


私が特派員の“縄張り”を破った理由(わけ)

それは今も続いている。「閉ざされた言語空間」の中で怠惰を決め込む日本人ジャーナリストたちへの痛憤

ジャーナリスト 高山正之

私が特派員の“縄張り”を破った理由(わけ)

田母神問題を朝日はいかに論じたか

日本大学教授 百地 章

「未完の占領改革」に見る戦後日本の倒錯

民主党に内包された亡国の宿痾の正体は何か。自主憲法制定を目指した岸信介首相らの志を受け継いだ「未完の独立」派が政権を奪還しない限り、日本は自滅の道をひた走ることになる

日本会議専任研究員 江崎道朗

「現実主義の真贋」

――何度でも言ふ、「親米VS反米」の不毛から脱却せよ

拓殖大学大学院教授 遠藤浩一

渾身60枚

「欧米による太平洋侵略史」が語る歴史の必然

――仲小路彰が日本人に託した未来への意思

評論家 西尾幹二


THE SEIRON ARCHIVES

思想戦としての大東亜戦争

なぜ戦わねばならなかったのか。正しいけれど敗れた――という現実の再認識から考える親日保守の回復

作家・元外務省主任分析官 佐藤優


内なる自省として―大空のサムライと近衛歩兵連隊士官が語る

あの戦争の意味、今日の平和の意味

著述家 坂井三郎 評論家 村上兵衛

銀幕に見る日米関係―「宿命」を越える道とは

評論家 佐藤健志

米国人がなぜ日本人を信じないのかを知れ

自省すべきは何か。公務員の国家叛逆や売国、あらゆる公的な嘘・ごまかしを日本人にのみ推奨するマック法典が日本人をダメにしている

軍学者 兵頭二十八

「孤立」を恐れぬ強さを持て

アメリカへの過剰な思い入れを止め、他者として認識することだ

高崎経済大学教授 八木秀次


THE SEIRON ARCHIVES

我らの「敗北」を直視せよ

新ガイドラインの教訓―アメリカの好意と力量に期待するだけの存在に祖国を貶めたのは誰か

文芸評論家・慶応義塾大学教授 福田和也


執筆者略歴・操舵室から