雑誌正論掲載論文

「韓国よ、いいかげんにせんか!」日本抜きで経済が立ちゆくと思うのか 断固経済制裁を発動せよ!

2012年09月11日 03:00

  日韓スワップ協定を破棄するだけで韓国は沈黙する “恩知らず”国家に必要なのはダメージを与える行動だ。(経済評論家・三橋 貴明 月刊正論10月号

具体的なアクション

 竹島問題にせよ、北方領土にせよ、あるいは尖閣諸島にせよ、全ては日本国の「領土」の問題であり、同時に「国益」の問題である。これらの問題に対処する方法は、相手の都合や内政などは無関係に「日本国民の意志(日本国の意志ではなく)」を示し、「国益を守るためには、我が国は絶対に引かない」という態度で具体的なアクションを打っていくしかない。ここでいう「具体的なアクション」とは、「相手国にダメージを与える行動」を意味している。

 日本の場合、軍事力の行使が憲法により封じられてしまっている。竹島の場合、李明博韓国大統領の不法入国について、防衛出動が可能と考えるわけだが、戦争に訴えずとも「絶対に引かない」という態度を示すことはできる。すなわち「対韓経済制裁の発動」だ。ところが、冷戦構造に守られた戦後の日本は、この手の「国益のためには絶対に引かない」という外交を、ついぞやったことがないわけである。

 外交とは国益同士のぶつかり合いだ。限られたパイを互いに奪い合う、ゼロサムゲームである。こちらが多くを得るためには、相手国の取り分を減らすしかない。日本以外の「全ての国」は、口先では「友好関係を維持しよう」などと言いつつ、自国の国益のために容赦なく日本国の国益を奪い取ろうとしてくる。

 7月3日にロシアのメドベージェフ首相が北方領土を訪問した。これに対し、日本政府は、

「極めて遺憾である」

 と、抗議したが、メドベージェフ首相は、

「どうでもいいことだ」

 と返した。全くその通りだ。日本国民が「自国に損害が発生しても、国益のために北方領土を取り戻す」という意志を明確に示さない限り、ロシア側がまともに相手にするはずがない。国益が絡む外交交渉で最も重要なのは、「遺憾である」「友好関係は重要だ」「未来志向の両国関係を」といった言葉ではなく、「国益を守るためにはどんなことでもする」という態度、すなわち具体的なアクションなのだ。

ICJ提訴は効果ゼロ

 8月10日の李明博韓国大統領の島根県竹島上陸を受け、日本政府は国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討するなどの「対抗措置」を打ち出した。玄葉外相は「提訴により領土問題の存在を国際社会が知るところになる」などと眠たいことを言っているが、こんなものは対抗措置でも何でもない。何しろ、国際司法裁判所へ提訴したところで、韓国側に応じる義務はないのである。国際司法裁判は紛争中の両国の同意がなければ、始めることすらできないのだ。

 本気で日本が韓国を竹島問題で国際司法裁判所に引きずり出そうと思うのであれば、

「多額の国連分担金を負担している国の権利として、国際連合を動かし、一国の提訴で国際司法裁判が可能なように、ルールを変える」

 と宣言し、実際のアクションを起こさなければならない。現在のままでは、韓国側は別に国際司法裁判所で争う必要がなく、単に無視すればいいだけなのである。

 韓国側を竹島問題に関して、国際裁判のテーブルに引きずり出すためには、ルールを変えるか、もしくは議論しなければ「韓国側がまずい」状況に追い込むしかない。とりあえずの日本側のアクションとしては、日韓通貨スワップ協定の破棄という「経済制裁」で構わない。本稿執筆時点で、日本政府は「10月に期限を迎える日韓の通貨交換(スワップ)協定の拡充措置について延長するかどうかも含めて白紙の状態だ」と呑気なことを言っているが、必要なのは「日韓通貨スワップ協定を破棄する」という明確な宣言だ。日韓通貨スワップ協定を破棄したところで、日本側は痛くもかゆくもない。だが、韓国側は大ダメージである。

スワップ破棄の打撃力

 そもそも日韓通貨スワップ協定とは、「韓国が通貨危機(=通貨暴落)に陥ったとき、日本が一定金額を一定条件で日本円、外貨と韓国ウォンを両替してあげる」ことを表明することで、韓国の通貨危機を「事前に防止してあげる」という協定である。

 韓国は1997年のアジア通貨危機、2008年のリーマンショックと、最近だけでも二度も通貨暴落の憂き目に会っている。理由は、単に韓国が「新興経済諸国」の一つとして「先進国からの投資」に依存した経済構造であり、世界的な危機が勃発すると、一斉に外国人投資家が韓国国内の資産を売り払い、ウォンを外貨に両替しようとするためだ。韓国は別に、先進国でも何でもないのである。続きは月刊正論10月号でお読みください

 ■三橋貴明氏(みつはし・たかあき) 昭和44(1969)年生まれ。首都大学東京(旧東京都立大学)を卒業後、外資系IT業界数社に勤務。平成17年に中小企業診断士を取得するとともに、経済分析などの執筆活動を続ける。平成22年の参院選比例代表に自民党から立候補するも落選。著者に『コレキヨの恋文』『グローバル経済に殺される韓国 打ち勝つ日本』『ぼくらの日本』など多数。