雑誌正論掲載論文

沖縄異常事態 何故逮捕しないのか! 日米同盟を壊す〝賊〟を許すな

2013年05月07日 03:00

ジャーナリスト 井上和彦 月刊正論6月号

起きるべくして起きた事故

 今年4月5日午前11時半ごろ、沖縄県宜野湾市の米軍普天間基地・野嵩ゲート前で、乗用車同士がぶつかる事故が起きた。

 普天間基地から出てきた米兵運転の乗用車が、一般道を走っていた一般人女性運転の乗用車の側面に衝突し、女性は全治5週間のむち打ち症と診断された。

 普天間基地周辺では、米軍の新型輸送機MV22オスプレイの配備反対を唱える活動家らの抗議行動が、いまも連日繰り広げられている。そして、この衝突事故は、活動家らの異常な抗議行動が原因だという目撃証言が相次いるのである。目撃者の一人は、「いつか、このような事故が起きると思っていた」という。事故は偶然に起きたものでも、米兵の不注意によるものでもないというのだ。

 目撃者の話を総合すると、野嵩ゲートから一般道路へ出ようとした米兵の乗用車を活動家らが取り囲んだうえ、「NO OSPRAY」などと書かれたプラカードを運転席の前に掲げた。このため、米兵は視界を奪われ、女性の車両の側面に衝突したのだという。

 事故が起きるやいなや、抗議行動中の活動家らは蜘蛛の子を散らすように現場から離れ、「事故とは無関係のように振る舞っていた」という目撃情報がある。

 現場の事情に明るい那覇市在住の女性は、事故を地元メディアがまったく報じないことが、事故の原因を明確に物語っていると話す。

「沖縄の地元メディアの偏向は周知の通りで、普段、道路の真ん中で米軍の車が故障して立ち往生しただけで、大事件のように大きく取り上げます。そんなメディアが、けが人も出た米兵の事故を取り上げないということは、『反米軍』『反オスプレイ』で同調する活動家たちが事故の原因だと知っているからでしょう。ある活動家のブログには、事故は抗議活動の〝休憩中〟に起きたと書かれていますが、〝休憩中〟などとわざわざ書くこと自体が不自然です」

 普天間基地周辺では、米兵(海兵隊員)らに対するこうした嫌がらせが、これまでも繰り返されてきた。筆者が普天間基地野嵩ゲートを訪れた時も、基地から出てきた米兵の乗用車に、「NO OSPRAY」と書いたプラカードをかざし、親指を下に向けながら口汚くののしる活動家たちの姿を目の当たりにした。

 ある者は、「アウト! アウト!」(出ていけ!出ていけ!)と叫び続け、ある者は乗用車に噛みつかんばかりの勢いで罵声を浴びせていた。米兵に「恥を知れ!」と日本語で罵る年配の女性活動家もいた。米兵達が何を恥じねばならないのか、まったく意味がわからないのだが、こうした罵詈雑言が米軍普天間基地のゲート付近では毎日飛び交っているのだ。

 野嵩ゲートでは連日、活動家がメガホンを持って米兵の自家用車に怒鳴りちらしている光景が目撃され、中にはメガホンを車内に突っ込んでわめきちらす活動家もいる。

 その異常さは、どれだけ言葉を尽くしても十分には説明し難い。動画サイトYouTubeで公開されている「普天間基地野嵩ゲートのプロ市民」(http://www.youtube.com/watch?v=Yf1T7fq_zy4)を是非ご覧いただきたい。活動家たちの行状に、誰もが恐怖と嫌悪感を覚えるだろう。

 普天間基地の大山ゲートでは、月曜日から金曜日までの毎朝、横断幕で歩道を封鎖する活動家や、ノロノロ運転で米兵の通勤車両を妨害する本土出身の運動家もいる。毎朝、米兵の車を蹴る老婆もいるという。

 米兵の乗った自家用車を蹴飛ばすという暴力行為は、先の野嵩ゲート前でも起きている。昨年12月18日には1人の老人が米兵の車を3回も蹴飛ばしたという。

暴力、子供への嫌がらせ… 野放しが招いた過激化

 いったいなぜ、このような無茶苦茶な活動が野放しにされているのか、私にはまったく理解できない。実は普天間基地周辺では活動家による暴力事件も起きているのだが、警察が適切な取り締まりをしない〝無法地帯〟であるが故に、起きるべくして起きたとしか思えない。

 今年3月27日、米海兵隊の一人が活動家から暴行を受けた。この隊員は胸を殴られており、宜野湾署に被害届を出したが、受理されなかった。そこで診断書を得て2度目の被害届を出したのだが、それでも受理されなかったという。

 情報筋によれば、この暴行犯は過去には現場で警察官を突き飛ばしており、その様子は動画にも収録されている。宜野湾署はなぜ米兵の被害届を受理しなかったのか。この警察の不作為が招いたかのように、2日後の3月29日にも暴力事件が起きている。米海兵隊の若い女性隊員が活動家から顔に砂をかけられ、目を負傷したのだ。この事件は、米海兵隊員と日本人の目撃者がいて証拠写真もある。さすがの宜野湾署も女性隊員の被害届を受理した模様だが、適切な捜査が行われるのか、これまでの姿勢からして予断を許さない。

 そもそもMV22オスプレイが普天間基地に配備されるや、オスプレイ配備反対を唱える活動家らが、その飛行を妨害するために凧揚げを行なったときも、沖縄県警はただちには動かず、米海兵隊側は飛行ルートを変更せざるを得なかった。もし空中で凧と接触して、オスプレイが墜落したらどうするつもりだったのだろうか。活動家らの危険極まりない抗議行動はいうまでもないが、当局の対応にも怒りを覚える。一歩間違えば大惨事となりかねない事態をなぜ放置できるのか。事故が起きれば多くの地域住民の命が奪われたかもしれず、日米同盟も破綻しかねなかったのだ。

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■ 井上和彦氏 昭和38(1963)年、滋賀県生まれ。法政大学社会学部卒業。軍事・安全保障・外交問題などをテーマとしたテレビ番組のキャスター&コメンテーターを務める。著書に『東日本大震災秘録 自衛隊かく闘えり』(双葉社)、『尖閣武力衝突 日中もし戦わば』(飛鳥新社)など多数。