雑誌正論掲載論文

独白! 保守2大政党政治を目指す

2017年09月15日 03:00

日本ファーストの会代表 若狭勝 月刊正論10月号

 ――年内の国政進出を目指す政治団体「日本ファーストの会」を7月に立ち上げ、その代表に就任されました。東京都の小池百合子知事との関係も深く、永田町の内外からキーマンとして大変注目されていますね。

 若狭 皆さんが注目して下さるのは本当に嬉しい限りですが、「期待に応えられる国政新党を作らなければならない」という責任感と使命感を痛切に感じております。

 ――先日の記者会見で、国政新党の候補者を発掘するための政治塾「輝照(きしょう)塾」を9月16日に開講すると発表されましたが、若狭さんの政治理念が見えてきませんでした。

 若狭 あの会見は塾生の応募開始日に行いました。そして、9月上旬に面接を予定しています。応募に当たり、入塾希望者の考え方を把握すべく、憲法や消費税などに関する見解をチェックシートに記入し、応募シートを提出するよう求めています。ですから、私の考えを表明してしまいますと、実際は考えが違うのに、「若狭塾長の考えに近い回答をした方が入塾しやすいのではないか」と「忖度」させてしまう可能性があり、実際の考え方が把握できなくなります。だから控えたわけです。

 私は、忖度ではなく、本当に政治的な考えが一致している人たちを塾生に選びたいんです。新党をつくる際に何よりも大切なのは、政策や政治手法に関する価値観の一致だと思うんですよね。これまでいくつも新党ができましたが、「議員数をなるべく多くしたい」ということを優先したがために、政策が一致しない人が混在し、結局、長続きしない。

 例えば民主党は政策面でのバラバラ感が露呈し、組織としてどうしようもなくなってしまいました。私は同じ轍を踏まないよう、少なくとも大枠の価値観が一致している人が集う新党をつくりたいと思っています。

 イデオロギーが異なる人たちが混然一体となることで、党としてのガバナンスが働かなくなることを私は心配しているんです。ガバナンスが失われると、支持者の期待は薄れていきます。これからの政治で大事なことは、自由闊達な党内議論ができること、そしてその手法で得られた結果について所属議員が責任を持つことです。それが、党のガバナンス維持に繋がります。活発な党内議論ができるためにも、同じ考え方の者が結集する必要があり、そうであれば、議論を尽くすことで、一定の結論に収斂されていくと思います。それがガバナンスの条件です。また、既存政党のように代表と幹事長等の数人の幹部だけが力を持ちすぎ、そこで見えない形で方針が決定されると、その方針・結果に不満を抱く人が出てきます。まさに、全体としてのガバナンスが弱くなりますので、既存政党の組織形にこだわらず、ガバナンスの構築・運用を所管する「ガバナンス長」(仮称)的なポストを創設することを考えています。

 ――「日本ファーストの会」は「都民ファーストの会」の国政版なのですか?

 若狭 誤解されていると思うのは、日本ファーストは政治団体であり、政党ではないということなんです。これとは別に新たに国政新党がつくられることになります。日本ファーストは政治塾を運営し、改革の思いを全国に広めることが役割であり、具体的な政策を発するものではありません。新党の名称も「日本ファーストの会」にはなりません。

 ――新党と、小池百合子都知事との関係はどうなりますか?

 若狭 新しい国政政党は、都民ファーストの特別顧問を務める小池知事の政治改革の思いを共有し、それを日本中に拡げていくことをスタンスとしています。その意味では、今後、小池知事から支援をしていただきたいと思っております。ただ、国政政党は、地方政党である都民ファーストと一体で動くわけではなく、別々で活動をしていく、別の枠組みとなります。

 ――新党結成に向けて、重視されている具体的な政策を教えて下さい。

 若狭 先程述べましたように、入塾希望者の応募シートには、憲法、安全保障、財政、エネルギー、多様性などの政策質問項目が明記されています。多様性とは、同性愛者等、性の多様性をもつ「LGBT」や、選択的夫婦別姓などについてです。もちろん項目ごとに、絶対に一致させなければならない政策もあれば、できるだけ一致させた方が良い政策もあるなど温度差があります。

 ――憲法改正についての新党のスタンスをお聞かせ下さい。

 若狭 少なくとも言えることは、憲法改正に反対だという考え方の人たちは「枠の外」だということです。

 ――新党は「保守政党」の枠内に入るのでしょうか?

 若狭 「保守」の定義も色々ですが、保守政党の枠内に入ると思います。少なくとも民進党の左派の方々とは考え方が違います。

 ただし、今の自民党、特に安倍さんのようなスタンスではないことも確かだと思いますね。政党は「実現すべき政策課題」と、その政策を実現するための「政治手法」の二つを考えていく必要があると思うんですが、これまでの自民党の政治手法は本当に問題があるんですよ。

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■ 若狭勝氏 昭和31(1956)年生まれ。55年、中央大学法学部卒業。同年、司法試験に合格し、東京地検特捜部副部長(筆頭)、東京地検公安部長などを歴任。平成26年の衆院選(比例東京ブロック)、28年の補欠選(東京10区)で当選を果たした。新聞やテレビなどでも幅広く活躍している。